寡黙の力(虚子俳話_02)
俳句は最も簡単な詩型であるということがその特色の一つである。寡黙に近いということがその特色である。寡黙ということは、最も大きな人間の力の表現である。
俳句は全く沈黙の文芸であるとはいえない。しかし、多く言わず少すくなく言う文芸である。少く言いて多くの意を運ぶ文芸である。叙写は尠すくなくって多くの感銘を人に与える文芸である。
叙するところは片々たる事柄である。しかしながら伝うるところは複雑なる感想である。一片の落花を描き、一本の団扇うちわを描き、一茎の芒すすきを描き、一塊の雪を描き、唯片々たる叙写のように見えていて、それは宇宙の現象を描いたことになる所に俳句の力はある。
俳句は簡単なる文芸であるが故に簡単なる叙写を必要とする。多くを語らずして多くの意を運ぶことを目的とする。多弁饒舌じょうぜつなる文芸は他にある、そういう文芸は多弁饒舌を武器とする。
この頃の俳句は多弁饒舌なる文芸を真似まねようとしているものが多い。十七字といううちに沢山の材料、沢山の言葉を使用して複雑怪奇となり、何を言っておるのかわからぬものがある。独ひとりよがりで他には通じにくいものが多い。これは単純の味を解せぬものである。寡黙の武器を扱うことを知らぬものである。洗煉せんれんされた単純なる言葉のいかに強力であるかを解せぬものである。
描くところは単純であらねばならぬ、しかもその句の力は強くなければならぬ。
みのる 2016/09/07 00:15 No.27
その人の現れ(虚子俳話_01)
客観写生、客観描写という事を私はやかましくいうのであるが、客観描写をした俳句であってもそれは遂ついにその人を隠すことは出来ないのである。
その客観描写が堅実であるというのはその人が堅実であるからである。
その客観描写が瀟洒しょうしゃであるというのはその人が瀟洒であるからである。
その客観描写が高尚であるというのはその人が高尚であるからである。
その客観描写が軽浮であるというのはその人が軽浮であるからである。
その客観描写があくどいというのはその人があくどいからである。
その客観描写が俗悪であるというのはその人が俗悪であるからである。
その人を隠すことは出来ない。これが芸術の尊い所以ゆえんである。
わかりにくければこれを絵画にとって見れば直ぐ明らかである。たとえば、一匹の犬を描いても百人が描けば百様の犬が出来る。その中で高尚な犬が何故なぜ出来たか。それはその画家が高尚な人であったからである。また、俗悪な犬が何故出来たか。それはその人が俗悪だからである。客観描写というのは客観を描写するために尊いのではない。その客観描写に依よってその人を現すがために尊いのである。
然しからば何故特に客観をいうか、これは俳句の性質からいうのである。
みのる 2016/09/07 00:15 No.26
月下美人
うつぎさん
月下美人はとても神秘的な花ですよね。僕も大好きです。
月下美人魂こめてふるへけり 青畝
夜半の雨月下美人に音すなり 青畝
月下美人あたりを払ひ蛾も招ばず 青畝
時計針重なりたるよ女王花 青畝
月下美人膾になつてしまひけり 青畝
路地の人月下美人の灯をかこむ 紫峽
みのる 2016/08/08 00:09 No.25
月下美人
先日我が家にえも言われぬ香りを纏った高貴な客が来ました。
ほんの数時間たった夜中に去ってしまいましたが。
うつぎ 2016/08/07 00:14 No.24
梅花藻
なおこさん
梅花藻の写真とても涼しげですね。
素敵な俳句期待しています(^o^)
みのる 2016/08/02 00:19 No.23
梅花藻
バスツアーで滋賀県に行きました。醒井宿の梅花藻を見ました。水がとても綺麗でした。触ってみても冷たく、梅花藻はとても可愛かったです。
夜はライトアップされるそうです。
なおこ 2016/08/01 00:21 No.22
猛暑
福岡は2週間早く猛暑日がやってきました。今日はそれほど暑くないだろうと吟行にでかけたところ、予報が外れて日差しが出て地下街に逃げ込んで、7インチのタブレットで無料Wi-Fiを利用しています。GHのスマホ対応の画面は見易いと実感しました。
さつき 2016/07/09 00:15 No.21
博多祇園山笠
昨日は九州のGHメンバーである豆狸さん、まゆさんと3人で初めて博多の寺社巡り吟行ミニ句会をしました。
福岡市は今、ライオンズクラブ国際大会が開催され、それに合わせて博多祇園山笠の飾り山も一週間早く設置されています。
朝から7時間、おしゃべりして吟行してミニ句会もして、充実した一日となりました。
さつき 2016/06/27 00:07 No.20
夕散歩
雨があがったので散歩してきました。
白鷺の一尾降りたつ青田かな
夕茜褪せて植田の昏れなんと
みのる 2016/06/19 00:17 No.19
岡虎の尾
真夏日となった今日、日本三大カルストの一つである北九州市の平尾台へ出かけてきました。
「岡虎の尾(オカトラノオ)」が群生していました。
途中からどれも直角に曲がるのが面白いです。
暑かったけれどたくさんの野草が見られて満足しました。
3年前の秋吉台の吟行句会を懐かしく思い出しました。
さつき 2016/06/18 00:20 No.18